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4.「恵み」と「まこと」

今日は恵みとまことについて考えてみたいと思います。

恵みとは無条件の愛、受容、赦しといったことの要素となるものです。まこととは戒め、裁き、真実、現実、枠組みといったものを表わしています。

 

このことを人間のからだから少し考えてみましょう。

どんなに素晴らしい筋肉や内臓(恵み)を持っていたとしてもそれらを支える骨格や骨(まこと)が弱いとからだはうまく機能しません。

逆にどんなに強い骨格や骨(まこと)を持っていたとしても筋肉や内臓(恵み)が弱いならこれもまたからだはうまく機能しません。

どちらもバランスが取れている必要があるのです。

 

これは人間関係や子育てにも言えます。

恵みを与えるばかりの人間関係は一見優しくて良いようですが相手が責任を取ることを回避したり、責任転嫁を助長し、挙句のはてに依存的になって成長させなくしてしまう可能性があります。

一方、まことを示すだけの人間関係は常に裁かれているという面だけが伝わり、孤立したり、赦しを味わえなくなる可能性があります。

また子育てにおいても恵みを与えることばかりの関わりですと子供を依存的にさせ、結果的に自立を遅らせていることになってしまいます。

一生懸命に良かれと思って関わって結局、成長を遅らせているとすると悲劇です。

逆にまことの関わりのみですと言われていることは正しいのですが常に子供が裁きだけを本音では体験し、心はどんどん孤立または離れて行ってしまうことになりかねません。

恵みとまこと、両方とも必要なのです。

 

 イエス・キリストは恵みとまことを完全に両立なさったお方です。

「恵みとまことはイエス・キリストによって実現したからです」(ヨハネ1:17)

 

すでにまことを示され、いやと言うほど自分自身の無力さ、罪深さを味わっている者には追い討ちをかけるようにまことを示されるのではなく無条件の赦し、つまり恵みをお与えになりました。

また、行いに自信があり自分の罪深い本当の姿が見えていない者に対しては徹底してまことを示し続けられました。

罪深い本当の自分の姿に気づかない人に赦しが提示されてもあまり意味がないからです。

私達が成長するためには<めぐみ>と<まこと>の両方が必要なのです。